看護師の現状と将来性は?コロナでも問題ない?
看護師不足が続く
日本の医療現場では、長らく看護師不足の問題が続いています。
看護師の就業者数は年々増えているとされますが、一方では、この仕事の離職率は毎年11%前後と比較的高いことも特徴であり、結果的に需要に対して供給が追い付いていないのが現状です。
看護師の退職理由はさまざまです。
いまだ女性の就業者数が多い職業であることから、結婚や妊娠を機に退職する人もいますが、それ以外に、夜勤もあるということから体力的な問題、職場の人間関係、休みがとりにくいこと、あるいは給料の安さなどを理由に職場を離れてしまう人も少なくないようです。
また、都道府県ごとの看護師数にも格差が出ています。地域によっては大幅に人手不足となっている職場もあり、そこではよりいっそう厳しい環境下で働かなくてはならないという声も聞かれます。
看護系学校が急増
こうした時代背景のなか、看護系大学や定員数は増加の一途をたどっています。
1991年度にはわずか11校だった看護系大学は、2014年度には226校へ増加。入学定員の数も、1991年度から2014年度で約35倍に膨れ上がっています。
「国家資格を得て手に職をつけたい」といった志向を持つ若者も増えており、看護師を目指す人は増えていくものと考えられます。
需要のある職業であることは間違いなく、将来性も十分だといえます。仕事に対するモチベーションを維持し続けると同時に、自分に合った就職先を選択することが、長く働き続けるための重要なポイントのひとつとなるでしょう。
広がる看護師の活躍の場
看護師といえば、病院やクリニックで活躍する姿を思い浮かべる人が大半でしょうが、社会の変化に応じて看護師の活躍の場も少しずつ変わってくるものです。
高齢化社会が進み続けるなか、在宅医療の普及とともに、この先は訪問看護ステーションで働く看護師の需要がよりいっそう高まると考えられています。
いずれにしても、看護師の果たすべき役目はたいへん大きなものであることは確かです。
患者さんの心に寄り添い、医療人としての誇りと責任を持って仕事に向き合える人材は、今後も継続して必要とされていくでしょう。